鼠の気持ちではチーズしか得られない
「鼠の気持ちではチーズしか得られない。 大きい獲物を得ようとするなら狼の気持ちになれ。」映画「錨を上げて」より
ジョー・パスタナーク製作の軽い味わいのMGMミュージカル。監督ジョージ・シドニー、出演フランク・シナトラ、ジーン・ケリー
今年のアカデミー賞は、ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー夫妻が、主演男優賞および主演女優賞をダブル受賞するかどうかということで例年になく注目を浴びているが、それとは全く違う意味で楽しみなゴールデンラズベリー賞(通称ラジー賞)が2月21日発表された。ラジー賞は、毎年アカデミー賞授賞式の前夜に「最低」の作品や俳優を選んで表彰する。
名称について少し調べてみると、『「ヤジ」を意味する「Razz」から命名された「Razzie Award」が正式な賞名だが、「Razz」のもうひとつの意味である「Raspberry」(ラズベリー:木イチゴ)の実を模したトロフィーのデザインにより「Golden Raspberry Award」とも呼ばれる。また、ラズベリーには、ブーイングの音、という意味がある。英語の「ラズベリータルト(raspberry tart)」が「fart(おなら)」 と韻を踏んでいるため、おならをまねた音を指すようになった。』との説明を見付けた。
そこで気になる受賞者であるが今年は、“お騒がせセレブ”パリス・ヒルトンと映画「オースティンパワーズ」などでお馴染みのマイク・マイヤーズに決まった。パリス・ヒルトンは、「ザ・ホッティー・アンド・ザ・ノッティー」で最低主演女優賞とカップル賞に選ばれたほか、ロックミュージカル映画「レポ」で最低助演女優賞に選出され3冠を獲得、一方、マイク・マイヤーズは、「愛の伝道師ラブ・グル」で最低主演男優賞、最低作品賞、最低脚本賞にも選ばれた。
だがこのラジー賞、決して馬鹿にしたものでもない。去年は、エディ・マーフィーが一人三役を演じた「マッド・ファット・ワイフ」で最低主演男優賞・同助演男優賞・同助演女優賞を受賞。過去10年を振り返ってみても、シャロン・ストーン、ハル・ベリー、ベン・アフレック、ジェニファー・ロペス、マドンナ、ロベルト・ベニーニ、マライア・キャリー、ジョン・トラボルタ、ブルース・ウィリスなど、綺羅星のような大スター達が同賞を受賞しており、良くも悪くも注目されていなければ受賞できない賞だということが分かる。そういう意味では、ラジー賞にさえノミネートされない作品及び俳優が、本当の意味での最低作品であり、最低俳優と言えなくもない。
それは、私たち個人レベルで見ても同様の事が言えるかも知れない。他人から高評価を受ける、あるいは著しく低評価を受ける人間は、ある意味個性の強い人間であると言える。他人の目を気にせず自分らしく生きていると、どうしても折り合いがつかない時もあるし、「出る杭は打たれる」の諺にもある通り、足を引っ張られる事もある。だが全く目立たず埋没してしまっている人間は、低評価もされないが、決して高評価を受けることはない。
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