藍より青し
「青は藍より出て藍より青し。」荀子
荀子(紀元前313年 - 紀元前238年)は、中国の戦国時代末の思想家・儒学者。孟子の性善説に反対して性悪説を唱えた。
報道によると、ピンク色の派手なスーツで一際目立つ存在の井脇ノブ子衆議院議員が、経営難に陥っている静岡県菊川市国際開洋第一高を2年後に閉校し、今春の入試合格者28人に入学辞退を求める意向であることが分かった。
井脇ノブ子衆議院議員というと、つい先日も自身が理事長を務める財団法人「少年の船協会」(東京都豊島区)が、別の学校法人「国際開洋学園」に多額の借金を肩代わりさせていた事が明るみに出たばかり。小泉劇場の勢いに乗って、比例代表で当選を果たした井脇議員であるが、たった28人の生徒達の夢や希望を踏みにじるようでは、国を導いてなどゆけるはずもない。
静岡県によると、国際開洋第一高校は全寮制で、今春の入試定員100人に対し、外国人留学生20人、日本人8人の計28人が受験。定員割れにより全員が合格した。そのうち4人が既に入学手続きをしたというが、この時期に閉校を発表するのであれば、ずっと以前に資金繰りは悪化していた筈で、それが分かっていながら入試を実施し、かつ入学手続きまでさせたというのであれば、これは負債の穴埋めに使うつもりで受験費用や入学費用を稼ぐ為の入試であったのかと、疑わざるを得ない。
また県は「この時期に改めて新たな入学先を探すのは非常に厳しい。まず学校側が受け入れ先を探すべきだが、県としても、私学協会を通じて各校に再募集をお願いするなど対応を考えたい」とコメントしているそうであるが、理事長である井脇議員は未来ある子供達のために、必死になって受け皿となるべき学校を探すなり、「国際開洋学園」に代わって国際開洋第一高校を経営してくれる相手先を探すべきである。それもしていないとなれば、国会議員に立候補した事自体、自身のネームバリューを高め、国際開洋第一高校(静岡県菊川市)及び同第二高校(和歌山県日高川町)の生徒集めをする為であったのか、という見方をされても致し方ないであろう。
井脇議員の説明によれば、小中学生などを対象に海上研修を行っている財団法人「少年の船協会」は1988年7月、運行停止により売りに出された青函連絡船を研修船として約2億8000万円で購入し、さらに約5億5000万円を掛けて改修。その改修資金として、学校法人「国際開洋学園」から約3億6000万円の融資を受けた。同学園はその約3億6000万円を同協会に対する貸付金として資産計上したが、返済が2000万円しかなされなかった為、残額約3億4000万円を2005~06年度に損失処理したという。
研修船はその後約6年間にわたって使用されたが、1999年に韓国企業に約6000万円で売却した。つまり、この時点で財団法人「少年の船協会」の損失が約4億3000万円、学校法人「国際開洋学園」の損失が3億4000万円の併せて7億7000万円にも上るのである。またこれとは別に、学校法人「国際開洋学園」に対しては、日本私立学校振興・共済事業団も2高校の校舎建設費用などとして、計4億7800万円を融資したが、3億2000万円の返済が滞っていたという(一昨年12月に和解)。
そもそも財団法人は、事業からの収入だけでなく、個人や法人からの寄付、国や地方自治体からの補助金等で成り立っている公共性の高い法人である。特に2008年12月以前に設立された法人であれば所轄官庁の監督下にあり、それ故に公益性を何よりも重視される。また日本私立学校振興・共済事業団も、平成19年度事業報告書によれば、その収益の殆どが補助金収入であり、その額じつに約3280億円である。
その金は当然、国民の血税から賄われている訳であるから、少し乱暴な言い方をすれば、約11億円もの損失が井脇議員の為に国民に覆い被さったことになるのである。基本である学校経営を疎かにして、功名心あるいは山っ気を出して国会議員になったのであれば、それは今回入学を辞退しなければならないかも知れない生徒たちのみならず、国民に対しても大きな裏切り行為である。もはや教育者としても失格者と言わざるを得ないであろう。人間は所詮性悪なるものなのか・・・。
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