鉄は人間を殺さない
「鉄は人間を殺さない。殺すのは手である。その手は心にしたがう。」ハインリッヒ・ハイネ
クリスティアン・ヨハン・ハインリヒ・ハイネ(1797年12月13日 -1856年2月17日)は、ドイツの詩人、作家、ジャーナリスト。
文部科学省は1月30日、小中学生の児童の携帯電話所持について、学校内への持ち込みを原則禁止すべきだとする指針を都道府県教育委員会などに通知した。ただし、保護者が緊急連絡手段としての学校内への持ち込みを、学校長に申請した場合に限り、授業中等には学校で預かる事などを条件に認められるとした。
以前から、小中学生の児童が携帯電話を所持することに対しての弊害については、様々な議論が巻き起こっていた。近年悪化が著しいのは、携帯サイトを使ったネットいじめや、有害な出会い系サイトの被害者になるケースである。
携帯電話各社も有害なサイトを閲覧できなくするフィルタリングサービス等を提供するなどして対策を講じているが、それとて万能である筈もなく、有害サイトの開発者はそのフィルターに引っかからないよう巧みにサイトを制作する。子供達の側からすれば、その旺盛な好奇心から、禁止されると逆に見てみてくなるという皮肉な結果を生んでいる。
小中学校では今回の通知以前から、その9割以上が学校内への持ち込みを禁止していたというから、これらの問題は単に学校内での所持を禁止しただけではなくならない事は、このデータからも明らかである。ただ、中学生に限っては携帯電話をよく使う児童よりも、そうでない児童の方が概して学校の成績が良いというのは事実なようである。
文部科学省が2008年4月に、全国の小学6年生と中学3年生を対象に行った「全国学力・学習状況調査」によると、中学3年生については、国語A・算数A(知識問題)、国語B・算数B(知識の活用問題)の4種類の学力調査において、携帯電話を「持っていない」生徒の平均正答率が携帯電話での通話やメールを「ほぼ毎日している」生徒よりも、0・9%~6・2%も高かったという。
このようにしてみると、今回の学校への携帯電話持ち込み禁止の通知は、児童をネットいじめや有害な出会い系サイトから守ることを本義としている訳ではなく。どちらかと言えば、昨今の小中学生および高校生の学力低下の原因を、携帯電話での頻繁なメール交換や、長電話等に求めているが故にその所持を禁止する、という側面の方が強い気がしてならない。
だが、携帯電話は大人達の殆どが認める便利なツールであることには違いない。現代ビジネスの世界で携帯電話の存在を否定したのでは、およそ仕事にならないであろう。いつの時代もそれが世の中にとって、便利で有用なものであればあるほど、それを使う者のモラルや、それを養う為の教育が重要となるのは、その昔トンネルの掘削の労力をより削減しようという信念の下に製造されたダイナマイトが、人を殺める為の道具として使われた事を例にとっても明らかであろう。それはアルフレッド・ノーベルから我々現代人に対する警鐘かも知れない。
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